大自然

 山に写る雲の影
 暑く汗を誘う日差し
 冷たく心地よい微風
 果てしなく続く湿原

 小鳥の囀り
 蝉の叫び
 木々の騒めき
 川のせせらぎ
 滝の唸り
 稲光の轟き
 夕立のどよめき

 咲き乱れる花々
 生い茂る緑
 蠢く虫々
 光り輝く雫
 揺れる水面

 ここは真夏の大自然
 誰もが汗掻き
 誰もが涼み
 誰もが楽しむ

 山男山女
 誰もが声を掛け合う
 誰もが温かい
 ソレが常識
 それが山の決まり
 まるで
 人肌で火傷してしまう魚のように
 自分もこの温度で火傷しそう

 時には人間を阻むこの自然
 今は
 都会から離れ
 休もうとする人間を
 優しく包み込む

 ここを荒らそうとすれば
 誰もが
 天罰を下される

 どんなに恐ろしい仮面を持っていても
 その恐ろしさまでを楽しむように
 人間は自然を求める
 自らがそれらを破壊しているとも思わずに

 光なき真の闇
 怜悧な星々
 芯から凍える寒さ
 昼間の暑さはどこへ

 そしてまた
 あの温かさがやってくる


                        2007.8.7. 制作


 実際、登山(もどき)をしたときのものです。
 ホント、自然の中にいるのは気持ち良いですよね〜
 人間はやはり、自然の中に暮らすべき動物だと感じる瞬間です。



                                                                      photograph by m-style