ふてふ

 この足を切って下さい
 君のもとへ行けぬよう

 この手を切って下さい
 君を触れられぬよう

 この口を失くして下さい
 君に接吻できぬよう

 この鼻を失くして下さい
 君の香がわからぬよう

 この耳を切り落として下さい
 君の声が聞こえぬよう

 この目を潰して下さい
 君の姿を見られぬよう

 この心を消して下さい
 君を束縛できぬよう

 この記憶を消して下さい
 君を求めぬよう


 僕は君を傷つけてしまう
 蝶のように様々な花を飛び回る君を
 虫籠(むしこ)に入れてしまう
 君は
 毒のある花の蜜にも惹かれそうだから

 心配で心配で
 僕にこんな
 こんな独占欲があったなんて
 知りもしなかった

 だから ねぇ?
 僕を 
 君専属の花にして下さい
 君といつまでも一緒にいられるよう
 蜜は涸らさぬようにするから
 花はいつまでも綺麗に咲かせるから
 華麗な蝶の君に相応しいように

 花にさせて下さい


                        2007.7. 制作


 突拍子もないですよね〜
 これも本当に突然思いついたものだと思います。
 なんとも言えません、ね。



                                                                      photograph by NOION