真夏の

 
畳の匂い
 風鈴の音
 首振り扇風機の風

 こんな空間が好きだった
 この空間で昼寝するのが好きだった

 それは遠い昔
 祖父母が他界して
 自分が社会に出て
 この空間から切り離された
 この空間を忘れていた

 嗚呼
 ここはどこ
 夢だろか

 ああ
 おじいちゃん
 おばあちゃん
 久しぶり

 もうこのまま
 目が覚めなければいい
 そのまま
 夢の中で住み続ければいい


                        2007.7.30. 制作


 和が消えつつある現代。私はこんな空間が好きです。私の家にある和室も和室として機能していませんが(汗
 こんな空間が好きな私でも、和服を着たいと思えないのです… 良くない傾向ですね。
 そんな中でも、若い人たちがまた和を再生しようとしていると良いのですが…



                                                                      photograph by CELESTE BLUE