の世界』

 
彼は作る
 自由自在に

 彼の手は作る
 あらゆる青を
 名も無き碧を

 目の前には青しかない
 海に似た青
 空に似た青
 同じようで全く違う
 同じは存在しない碧

 軽い青 重い青
 浅い青 深い青
 薄い青 濃い青
 儚い青 力強い青
 柔らかい青 固い青

 どんな蒼でも
 彼が作る蒼は
 吸い込まれるほど綺麗で
 当てはまる言葉がない

 それでもどこか
 寂しく哀しい色に思えるのは
 あなたが
 花輪をかけられた彼女の
 あの蒼い瞳に
 近付けようとしているから
 なのかな


                        2007.7.7. 制作


 なんとなく、です。なんとなく作ったものです、これは。
 たぶん(オイ)、本当にきれいな青を見たときに考えたものだと思います。



                                                                      photograph by m-style