卑怯

 親友と言いつつも
 あたしの目にはそう見えない人々
 最近増えた
 所謂
 浅い関係とやらは嫌いだ

 この頃よくそう思う
 けれど
 これ以上進んでもいけない気がする
 これ以上自分を見せ
 これ以上君を知る

 ダメだ
 今のあたしは臆病で
 トラウマが残ったまま

 これ以上進んでから
 君が手のひらを返したように
 あたしから離れて行ったら…
 そう考えると
 これ以上進めない
 進みたくない

 君も進もうとしていない
 そう思うよ
 君も躊躇っているのかな

 お互いに騙し合っているのかな
 それならお互い卑怯なのかな

 友達だけど
 友人ではない

 たぶんこれが君との関係
 互いに腹を探る間柄

 この言葉は言っていいのか
 ダメなのか

 恐いからから
 壁を隔て
 予防線を張る
 君がこれ以上近づかないように
 あたしがこれ以上君に近づけないように

 たぶん君は気づいていない
 あたしが
 こんなに弱くて臆病で
 ちっぽけな人間だなんて

 たぶん
 卑怯なのはあたしの方
 騙しているのはあたしの方

 ごめんね
 ごめんなさい

 迷っているうちに
 君はいなくなるのかな


                        2007.4.15. 制作


 この次の詩に続いている感じがあります。
 実際何の関連性も考えずに作ったのですが。
 皆さんも、あまり関係のない人とこんな感じになりませんか?
 



                                                                      photograph by FOG.