――ありきたり?――

 たぶん
 非現実的な恋より
 現実的な恋のほうが
 人々は感動するのだろう

 所詮
 ドラマティックな恋は
 一般人からはかけ離れていて
 感極まっても
 本当は理解できないのだろう
 
 たぶん
 非凡な人生よりも
 平凡な人生のほうが
 人々は涙するのだろう

 所詮 
 悲劇的な人生は
 一般人からはかけ離れていて
 号泣しても
 本当に理解はできていないのだろう

 憧れ以上の何物でもないのだろう?

 だから
 当たり前に
 ありきたりに

 誰もが経験していくことを
 当たり前に経験していく

 それが一番
 感銘を与え 涙を誘い
 当たり前で立派なのだと

 けれど
 その‘当たり前’が
 “当たり前”でなくなってきている世界があって
 
 それより上を目指したいと思う
 平凡で馬鹿で夢想家の
 自分がいる


                        2007.4.3. 制作


 私も、平凡で不変な生活を送りたくないのですよ(笑
 いつも刺激があることを望んでしまう…ただの凡人なのにもかかわらず。
 本当は、平和で普遍な生活ほど幸せなものはないのかもしれませんね。



                                                                      photograph by m-style