画家志望の

 
ここに
 キャンバスがある
 
 絵を描くための布、キャンバス
 油の種類、溶き方が違えば
 絵具の吸収度は異なる
 糸の太さで
 荒目、細目の区別もある
 人物型、風景型、海景型 なんてものもある

 
 ここに
 パレットがある

 絵具を調合するための板、パレット
 混ぜる絵具の加減で
 それは異なった色をなす

 ここに
 筆が、絵具がある 
 色々な太さ、色々な色

 
 準備はできているが
 まだ何も描かれていない

 まだ考えている?
 それならそれでいいだろう
 その絵が完成するのは
 そんなに早いことではないはずだから

 どんなキャンバスを使おうが
 どんなパレットを使おうが
 どんな筆、絵具を使おうが

 それは君の自由

 君はまだ
 筆を持っていないのかもしれない
 筆を持っているだけなのかもしれない

 みんながどんどん色を塗っていても
 みんながどんどん絵を大きくしていても

 焦らなくて大丈夫
 君の絵は
 君にしか描けない
 
 君は君の描き方を変える必要はない
 成長と共に変わるのは当然だけど
 みんなに合わせる必要はない

 一人で悩んで疲れたら
 誰かに相談するのもいい
 そうすれば
 筆も進むかもしれない
 君のまわりには
 素敵な人もたくさんいるから

 描きたいときに描いて
 休みたいときは休めばいい
 直したければ直せばいい
 道具を増やしたければ増やせばいい

 少しずつでも
 頭を、筆を動かせば
 少しずつ少しずつ
 描かれていく

 そうやって
 一人の、一つの
 絵が出来上がる
 君だけの
 誰にも想像できない
 壮大な
 君の名前の
 素晴らしい絵が…

  
    ありがとうの日に生まれた画家志望の君へ
    君の絵を少しでも見られることを祈って...


                        2007.3.9. 制作


 ありきたりな詩ですね。
 しかも長ったらしい...
 誕生日となるとなおさら短くできないのですよ、私。
 伝えたいことをすべて書こうとしてしまうので…悪い癖です。
 



                                                                      photograph by NOION