この世界が終わる
 その時も
 人間の争いは終わらないのだろうか

 この世界が消える
 その時も
 人間の悲しみは消えないのだろうか

 苦しみは
 憎しみは
 消えないのだろうか
 終わらないのだろうか

 それらを消し去るためならば
 死んでも構わない

 生きるために
 どんなに多くの獣を毒牙にかけようと
 答えは見つからない

 あの獣たちも生きたかっただろうに
 あの獣たちも必死だっただろうに

 それでもそればっかりは仕方がない
 自然界の運命(さだめ)なのだから

 けれど人間は
 なぜ
 あそこまで仲間を毒牙にかけるのだろう

 人間が
 私の死の意味を
 私が訴えたかった意味を
 わかってくれるなら
 死んでやるのに


 そう思い一粒涙を落とした毒蛇
 人間より遥かに聖なる毒牙
 それを使うことを拒み死んでしまった毒蛇


 すべてを感じてしまった少年は思う

 家族を
 友達を
 人間を
 生物を
 そしてこの毒蛇を
 すべて含めて
 世界を愛そうと

 この毒蛇を
 一滴の涙で煌めかせて


                        2009.2.8. 制作


 これ、わかりにくいところありますか?
 なんとなくわかりにくいと言われたのですが...まぁ、誰にとは言いませんけどね。
 それはそうとこのストーリー、蠍の話に近いと思いませんか?
宮沢賢治の蠍の話に影響されたわけなんですが(ネタばらし?)
 蠍の話は、元ネタがあるんでしたっけ。イソップ?ギリシャ神話?


                                            photograph by FOG.