一番星

 久しぶりに座れない帰りのバス

 見上げた空は
 赤く色付き
 雲は影

 ひとつ 白い星

 自然と緩む頬

 一見寂しそうなその星
 けれどあれは
 誇りの星

 どれよりも先に輝き
 どれよりも先に
 誰かの目にとらえられる

 小さな白い星

 何億年前の光でも
 どんなに小さな光でも
 それは今
 この目に映っている

 この夜を見守っている

 それが
 誰かさんとかぶった

 努力家だけど
 多くの人は気が付かない
 頑張っているけど
 他の華やかな星で見えなくなってしまう

 そんな女の子

 けれど
 気付いている人はいる
 知っている人はいる

 それを知り
 それを力に換え
 一番に光り輝こうとする


 私は
 誇りに思う
 そんな一番星を


                        2008.11.21. 制作


 妹を励ますために作ったものです。
 実際、バスから窓の外を見ていたら思いついたものではありますが。
 私は努力家ではありませんので、こういう人たちは尊敬に値しますね(苦笑 


                                                              photograph by Lovepop