する人へ

 おそらく将来
 私は
 光のない世界にいると思います

 それはしょうがないこと
 生まれたときから決まっていたこと

 悲しまないでください
 嘆かないでください
 しょうがないことなのですから

 運命なんて信じていませんが
 こうなることは運命だったのかも知れません

 そしてあなたと出会ったことも

 私が
 あなたと同じものを
 “見る”ことができなくなっても
 あなたと同じものを
 “感じる”ことはできます

 あなたと同じ時を
 生きていきたい
 あなたと同じ壁を
 乗り越えていきたい

 それぐらい
 神は許してくれますよね
 それぐらい
 あなたは許してくれますよね

 その将来のため
 あなたの顔を今
 しっかり胸に刻んでおきます
 あなたの年とった顔を見られないのは
 少し残念ですけど
 あなたはそのほうが嬉しいでしょう?
 今より素敵になってしまったら
 もったいないとは思いますけど
 そうしたら教えてくれるでしょう?


 愛する人へ

 将来私は
 光のない世界にいます 

 けれど私は
 あなたのいる世界にいます

 あなたが隣にいる世界に


                        2008.8.30. 制作


 これは、ちょっとした知り合いの恋人さんがモデルです。
 悪く言えば、パクリです。
 けれどこのお二人、素敵な方たちなんです。
 様々な困難が行く手を阻んでいるというのに、二人で支えあって、二人で乗り越えて、二人で涙し二人で笑う。
 本当に羨ましくなるほど素敵です。 


                                                              photograph by NOION