あの日の雨宿り

 雫が頬を伝った
 こんなに晴れてるのにまさかね
 瞬間
 降りだす雨

 目一杯走って雨宿りを探す

 髪なんてくっついて
 服なんて透けてしまう
 シャンプーの匂いが漂う
 いつもと違う互いの姿に
 どぎまぎ

 お互い見ないようにして
 お互い間をとる

 何だか気まずくて
 何だか初々しくて
 ついに耐えられなくなって
 二人で笑いだすの

 そして照れ隠しに
 軽く口付け
 その後
 尚更恥ずかしくなって
 尚更火照って

 何だかこんな感じ
 平和で平凡な感じ
 好きだなぁ


 そう
 好きだったの
 ずっと
 続くものだと思っていたの
 幼かった私は


                        2008.8.15. 制作


 こんな経験はないですけどね…(苦笑
 なぜか私は、幸せなまま終わらせたくないみたいですね、今回のように(笑


                                                              photograph by POWDER