The support for the back

 グラス越しに見えるのは歪んだ世界
 この向こうに何が見えるの
 歪んだ現実
 歪む未来

 背もたれのない椅子
 使いにくいと文句を言えば
 君は背中を合わせて座ったっけ
 お互いの背中で支え合って
 お互いの背中を預け合って
 そのまま眠ってしまったりして

 居心地良かった空間
 あの空間
 二人だけの空間
 二人でしか存在できない空間

 背中合わせでも
 目を瞑っても
 お互いの考えがわかったんだ

 それが今じゃ
 部屋の隅っこに押しやられて
 使い物にならなくて
 突然逝ってしまった背中を
 思い出さないように
 待ち焦がれるように

 あの時から
 時間は止まったまま
 刻一刻と色を変える
 私と椅子のまわりの世界
 針を進めぬ私の時計
 まるで薇を巻いてもらえない時計
 まるで薇を抜かれた時計

 支え合う背中を失ってからの日々は
 何の意味も持たない
 持てない

 ただただ
 復讐と言う名の悪魔の力を借りて
 心臓は
 血液を送り続けている

 赤いエネルギーを
 私の体中に
 君の心臓は 

 この世に
 復讐するまで
 この私に
 復讐するまで

 私は
 君を死なせるわけにはいかない

 この歪んだ現実を生き抜く

 それまで耐えて
 君の心臓よ


                        2008.3.15. 制作


 微妙ですねぇ〜。コメントできませんよ。
 最後の方なんて無理やりですもんね。


                                                               photograph by FOG.