六花(りっか)

 深々(しんしん)と冷え込む正朔

 こんな日は
 誰かと
 温かく
 過ごしたかった
 なんて
 寒々とした窓の外を眺め
 椅子の上で膝を抱え
 自身を抱(いだ)く

 そしてまさかの
 六つの花
 多くは降らずに
 すぐに止みゆく

 その儚さに
 あの時のあなたを思い出す
 いつもは強さを見せ付けていたのに
 あの日あの時あの場所で
 あなたが見せた顔は弱さしかなくて
 何をそんなに苦しんでいるのか
 何をそんなに迷っているのか
 わからなかった
 あの顔の所為で

 だから呼び止めることもできず
 だからこの日は一人きり

 あの日
 白い世界に
 人の群れに 

 振り返りもせずに
 歩いていってしまった
 あなたの背中が
 今でも
 溶けずに残ったまま

 残ったまま離れない


                        2008.1.2. 制作


 はい、三箇日2作目。
 1作目同様、明るくありません(苦笑
 今年は特に明るくなれないかもしれませんね〜、この間も…(強制終了


                                                                      photograph by m-style