既知感覚
自分には似合わない場所だと思った
嫌々、仕方なく来た場所
こうやって
みんなで騒ぐことから離れて数年
もう戻ることもないと思っていた
だから
座っている
みんなが一つとなって
立って応援し、ため息を落とすこの場所で
こちらのチームが不利になった途端
降りだした雨
まだ大丈夫だと
まわりが傘をさしだしても我慢した
選手がびしょ濡れになっているのに
応援側が濡れないなんて
失礼だと思った
終了のホイッスルが近づくにつれ
日が射し始める空
味方がゴールに近づく
息を呑む
弾かれる
悔しがる
敵がゴールに近づく
息を呑む
弾かれる
安堵する
いつの間にか
応援団と同じ呼吸
気が付けば
ボール一つに一喜一憂
ホイッスルとともに
味方は落胆し
敵は歓声をあげる
選手の背中が悲しそうで
それでいて
格好良くて
そうだ
そうこの空気
自分が数年前までいた空気
懐かしく思い
嬉しく感じ
悔しかった…
空には太陽が戻っていた
2007.11.11. 制作
スポーツをしなくなってきましたね、本当。
こんな世界にいたなんて、ウソみたいです、今では。
私は友人に言わせれば、かなり一生懸命部活動に励んでいそうな人物らしいです(笑
ま、そうだったんですけどね、実際。
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